声なき声はどこに?

人の心は常に変化しています。
昨日楽しかったことが今日は苦痛になったり。
日々の仕事の変化で心の中も一定ではありません。

また、新入社員とベテラン社員でも同じ環境でありながら1年間に感じることはそれぞれ違います。
それは成長の変化が違うので当然のことです。

では、これらの従業員の心の声をどうやって知ることができるのだろうか?
1年前の心の声と、半年前の心の声と、1か月前の心の声は同じであろうか?

経営者またはチームリーダーが定期的に個別面談を行っている企業も多いようですが、形式的になっていませんか?
従業員の心の声を聴きだすのが目的だったのが、慣例化した社内行事になっていませんか?

最大の問題は、経営者やチームリーダーに「聴く力」があるかが重要です。
特に心理的安全性の低い環境で仕事をしている人は心を閉ざして貝になっています。
このような人に対して個別面談は逆効果になる場合も。

経営の神様とかマネジメントの父などといわれているピーター・ドラッカー博士は「われわれの事業とは何かとの問いに答えるには【顧客に聴け】」と言っています。顧客が何を望んでいるかを把握してサービスを提供すればいいと。

この言葉を引用するのなら「われわれの会社をどのように働きやすい環境にすべきかの問いには【従業員に聴け】」と言うことになります。
決して経営者やリーダーが一方的に決めるものではないということです。

何故なら、仕事を行うのは従業員だからです。
従業員の心の声こそが職場環境改善のヒントとなります。
●従業員のストレスは何なのか?
●改善したいところは何なのか?
●満足しているところはどこなのか?
●成長したいと思うのは何か?

この従業員の声なき声を聴くことが従業員満足度を高めることに繋がります。

ナースコールはあるのか?

入院したことのある人はわかると思いますが、ベットの枕元に呼び出しボタンがありますよね。
困ったときにそのボタンを押すと看護師さんが飛んでこられます。
このボタンを「ナースコール」と呼びます。

職場の中にもこのナースコールは備えていますか?

何か感じた時や事が小さい間にいち早く対応できるためにいつでも気軽にナースコールを押せるようにしておかなければいけません。
悪化したり、後手に回っては事態は収拾がつかなくなりますので。

ナースコールは随時いつでも押せるようにしておかなければいけませんが、押す行為に至るまでは顕在化した時です。

潜在的に問題を見つけ出すためには、定期的な従業員満足度調査を行うことが効果的でしょう。
その期間も3~6か月のサイクルで。

ここで声に出てない声をどのくらい拾えるかがポイントとなります。
更に効果的なのが、当事者ではなく第三者が調査すことです。
中立な機関としての立場で声を拾っていくことで潜在的な問題が見えてきます。

そのためにも気軽に自分の気持ちが言えるような心理的安全性を高めることが不可欠のようです。