iDeCoは金融商品ではない
ここ数年でiDeCoの知名度も上がって利用者数も増えてきました。
将来の老後資金作りには非常に有効的な方法だと思います。
しかし、そもそもこの制度は税制適格年金が廃止になって受け皿として日本版401kが発端になっています。
企業は拠出だけを行い、運用は従業員に任せるといった方法で、企業の退職金等の準備金不足のリスクを軽減するために行われました。
しかし、この企業型確定拠出年金(DC)を採用している事業所が少なかったために中小企業では導のハードルが高く、従業員の老後資金作りは従業員自らがそれぞれの方法で行わなければいけなかった。
そこで、企業型確定拠出年金を導入していない会社の従業員も自ら運用し老後資金作り出来る制度が個人型確定拠出年金(iDeCo)です。
iDeCoを金融商品と誤解している人がいますが、iDeCoは公的年金制度の一部だと思ってください。
なので、原則は60歳まで引き出しができません。
厚生年金が途中で引き出せないのと同様でiDeCoも金融商品のように自由に引き出せるわけではありません。
運用指示を投資信託などで行うので金融商品と誤解している人が多いようです。
ただし、年金制度の一環なので、運用益は非課税です。
購入手数料もかかりません。所得税の控除もあります。
年金制度だから当たり前です。
なので、お得な非課税での金融商品でもなく、単なる公的年金制度のオプションなのです。
労使が共にwin win
では、企業型確定拠出年金(DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)は同じなのか?
いえいえ、従業員の方にとってDCはiDeCoより遥かに有利なのです。
大きく3つの効果があります。
1、給与天引
2、ランニングコストが会社負担
3、社会保険料軽減の可能性あり
まず、給与天引きなので、金融機関に入金して口座から積立を行う手間がないく、口座残高不足で積立できないことも防げます。
iDeCoは口座よって金額は異なりますが、加入手数料(2,829円)と毎月ランニングコスト(171円~)が個人負担です。
DCの場合はこの手数料や毎月のコストは会社が負担します。
一番大きな効果は、この社会保険料が軽減される可能性が高いのです。
DCの掛金を従業員が自分の給与の中から積立てる(加入者選択型)場合は、その積立金額を基本給から差し引いて計算します。
このことによって、積立金額を引いた基本給で計算された社会保険料が安くなる場合があります。
社会保険とは健康保険料と厚生年金保険料です。
所得税のと比べても比較にならないくらいの減税効果は大きいです。
iDeCoではこの社会保険料を差し引かれた後に手取りの中から積立てるので、この効果を利用することができません。
ここで、従業員サイドではなく、企業側から見ると、社会保険料は従業員と折半で支払っています。
従業員の社会保険料が減額になった金額と同等の金額が企業負担を軽減させてくれます。
企業型確定拠出年金(DC)は従業員は喜ぶのは当然ですが、企業側にも大きなメリットがあるのです。
昨今、生命保険での節税プランが効果を失ってきた中で、労使が共にwin winになる唯一の方法がDC(企業型確定拠出年金)なのです。