恐れのない職場へ

心理的安全性というワードが最近よく耳にするようになったが、長年にわたりこの研究をしてきた第一人者であるエイミー・C・エドモンドソン教授の著書「恐れのない組織」で提言されているフェアレス(fearless)をぜひ参考にしてほしい。

言いたくてもモノが言えない職場独裁的なリーダー従業員間で信頼関係の低い職場などで起こる現象として従業員の心理は恐れ憂いを抱いています。

この状況から起こる現象は、
大切な情報が滞り重大な事故ミスを招いたり、
いつも不安を感じて業務を行っている従業員が増えてきたり、
保守的な考えが強くなり改革に否定的になったりなど。

これらは従業員が恐れを感じて保身を行う自己防衛本能であるので特別なことでなくごく普通のことです。
言い換えればどこにでも存在する問題です。

この状況が続くと従業員もストレスを抱え込んで精神的なダメージを受けることにもつながります。
そしてその状況は一人にとどまらず、伝染して広がり、やがて組織全体が感染してしまいます。
これが心理的安全性の低い職場と化すのです。

経営者は盲目

「私はいつも社員とは対話して何でも話してくれているから社員が何を考えているのかわかっている」

こんな感じで思っている社長は完全に勘違いの達人ですね。
その会社は非常に危険です。

従業員の心は決して理解することはできません。
そして常に変化しています。
1年前の自分と1か月前の自分と昨日の自分では考え方や価値観が変化しているはずです。
その社長が従業員の日々の変化を把握するのは不可能だと認識することか賢明です。

では、経営者には何もできないのか?

いえいえ、経営者にも出来ることがあります。
それは、恐れのない職場環境をつくることです。

経営者は常に盲目だと認識すべきです。
見えているものは実は見えていなかったり、
見えていたものが違って見えていたりします。

「うちの社員はもっとモチベーションを上げるべきだ!」
「理想を高く掲げて取り組もう!」
「ビジョンがすべてだ!」
など経営者がひとりで強引に従業員を導こうとしても気持ちの乖離は広がるばかりです。

特にカリスマ○○といった社長のような強力すぎるリーダーシップをとっている場合に従業員の心理的安全性は低下する傾向にあります。
ナルシスト社長は要注意です。

しかし、カリスマ社長ナルシスト社長理想主義社長盲目になりやすい
心理的安全性の高い職場環境をつくれるかは社長の器次第ということです。

社長は従業員を理解するよりも、心理的安全性を高めることに努めるべきです。